2020.03.31
村上農園SSF山梨 vol.2
◇進捗状況◇
8月末より土を場外へ運びだす作業がスタート。写真左から右に向かって7%程度の勾配がある斜面地にほぼ建物が地下に埋まる為、時には軽トラほどの大きな岩を砕きながら掘り進め、約30,000立米もの土の運び出しが約半年がかり、年明け2月でほぼ完了。
10月末頃から地下2階にあたる斜面下側1/3が先行し、12月には斜面上側の基礎・ピットの工事が始まりました。
1、2月に入ると地下1階の床、地上1階の床と躯体工事が進み、だんだんと建物の骨格が見えてきました。
◇構造の話◇
今回の計画は北杜市明野町の山間7%程度の傾斜地という一見不利な敷地を逆に利用して、「栽培の環境として安定した室内環境を得たい」という要望に対して、栽培エリアを地下に埋めるという大胆な提案をました。
地下に埋める構造としては鉄筋コンクリート造が望ましいと考えられます。
鉄筋コンクリート造というと、一般的な柱、梁で構成されるラーメン構造と言われる方式を用いるのが一般的でありますが、今回の施設はフラットスラブ工法という梁の無い特殊な工法を採用しています。
この施設は50年使い続ける事を前提として作られているので、今後、栽培方式など、さらなる品質向上のために変化していくと思われます。
その為、設備等に変化が必要になった時にも構造体を傷めることなくフレキシブルに対応がきく構造方式としてフラットスラブ工法を採用しました。
耐震的には地下壁を耐震壁としていいて、鉛直荷重に対しては梁のない工法を採用しているので、それを補う為にキャピタルという梁の変わりとなる部分でスラブ(鉛直荷重)を支えている構造となっとなっています。